第5回:地域に根差した医療を提供して30年以上 かかりつけ医としての働き
北浦和駅から徒歩約13分の住宅街の中にある白い建物と看板が目印の曽我外科医院は、内科、外科、整形外科などを併せ持つ昭和57年開業の医院である。我々を明るく迎え入れてくれた院長の曽我医師は、まさに「快活」という言葉がよく似合う。多忙な診察にも関わらず、休日は園芸、サックスやギター演奏、登山、ゴルフ、写真など多彩な趣味を持ち、その生き生きとした表情がその人柄を物語っている。写真に至っては仕事の合間を縫って各地を飛び回って撮影しては、自身が編集に携わる医師会の会報誌の表紙を飾っている。浦和区領家に開業してから30年以上、「曽我外科に来れば何とかしてもらえる」をモットーに地域の医療を支え続ける曽我外科医院の診療について話を伺った。
患者さんに最良の選択を かかりつけ医としての使命
「1人1人の患者さんの症状をまず聞く。そして適切な対応を患者さんとともに考え、必要に応じた最適な病院、医師を紹介する。それがかかりつけ医として一番大切なことだと考えています。」と、曽我医師は語る。現在、患者さんの2割が内科、1割が外科、6-7割が整形外科の症状で受診をする。患者さんの訴える症状は人によって様々であり、そこでいかに正確な判断をするかがその後の患者さんの治療や回復に大きく関わる。「背中の痛みを訴えて受診された患者さんに専門医を紹介し再度検査を行ってもらったところ、大動脈解離が見つかったこともあります。患者さんの訴えが全ての鍵となりますから、たとえ些細なことでも見逃さないように気を使っていますね。」と、話す。「まずは患者さんの話をじっくり聞く。話し方、仕草も症状を判断する重要な要素です。また、整形外科的な見方だけでなく、色々な可能性も含めて診断をすることが大切だと思っています。」
他の医師との信頼関係も、患者さんへの最適な治療に重要
曽我医師はまた、医師会や総合病院の医師たちとの連携を強めることにも重きをおいて取り組んでいる。「○○先生なら私がもっとも信頼する先生だから大丈夫。安心して行ってください。そう言って患者さんを総合病院や専門の医師に紹介すると、患者さんの不安も少ないようです。そこで最適な治療を受けて退院した後に、また当院をかかりつけ医として利用する方も多いですよ。」と、話す。専門医に患者さんを紹介した後も、医師との連携を図ることも欠かさない。「患者さんを紹介した後は診察時の症状や様子を必ず直接担当医に伝えるようにしています。患者さんのことだけではなくご家族との関係も伝えることで、看病されるご家族の負担も減らせるように働きかけることも重要だと考えています。」そう語る曽我医師は、正に患者さんと最適な医療を繋ぐ橋のような存在なのだろう。最後に、卒業後に毎年開催しているという福島県立医科大学の同級会のお写真を見せて頂いた。同期の医師たちに囲まれて朗らかに笑う曽我医師の人柄も、確かな信頼関係を築き上げ、開業から30年以上地域で愛され続けている理由のひとつかもしれない。
院長 曽我基行 医師
北海道出身。福島県立医科大学卒業。1969年に東京女子医科大学に入局後、外科・肛門科・内科・整形外科・麻酔科・循環器科・胃腸科など幅広い科で研鑽を積む。その後ドイツ留学などを経て、1982年に曽我外科医院開業し、現院長。日本外科学会認定医。日本大腸肛門病学会会員。検診マンモグラフィ読影認定医師。元浦和医師会副会長。